重り部分に取手が追加形状のケトルベル。筋トレやダイエットのためのトレーニング時によく用いられる器具です。
トレーニング初心者にはダンベルは馴染みがあるけど、ケトルベルは使い方がわからないという方も少なくないでしょう。
そこで今回はケトルベルの正しい使い方やケトルベルを使ったトレーニングで期待できる効果、おすすめのトレーニングメニューをご紹介します。

なおと なおとのプロフィール詳細
パーソナルトレーナーとして働く傍ら、選手として日本一を目指しボディコンテストに出場中。ベストボディジャパン2023静岡大会優勝の実績を持つ。鍛え上げた身体を活かし、プロバスケチームのハーフタイムショーや某TVCMに出演するなど、幅広く活動中。
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ケトルベルとは
ケトルベルは、グリップ(取手)のついた重りで、ケトルにはやかんの意味があり、夜間のような形状をしています。
ケトルベルとダンベルの違い
ケトルベルとダンベルも重量があるトレーニング器具ですが、その大きな違いは操作性にあります。
ダンベルは持ち手が中心にあるため操作性に優れており、持っている側の腕や肩を鍛えるのに有効です。
一方、ケトルベルは重り部分と持ち手部分が離れているため、操作が不安定になります。そのためそれを支えるためには全身の力が必要となり、さまざまな筋肉を鍛えることができます。
ケトルベルの重さ
ケトルベルの重さは商品によっても異なりますが、だいたい4kgからラインナップされており、重い商品だと48kg程度になります。
成人女性は8kgから、成人男性だと12kgからトレーニングに使用される傾向にあります。
ケトルベルの効果
ケトルベルは持ちやすいため、多彩なトレーニングが可能で、さまざまな効果に期待ができます。
体全体を鍛えられる
ケトルベルはダンベルに比べて操作性が不安定になるため、トレーニングの際はさまざまな部位に負荷がかかります。
例えばケトルベルスイングでは、ケトルベルを動かす腕や肩などの部位はもちろん、スピードと遠心力が加わるため、安定させるためには体幹や腹筋の力も必要になります。
さらにそれら上半身の動きを支えるために下半身にも踏ん張りが必要になり、結果的に全身の筋肉を使ってトレーニングする形になります。
心肺機能の向上
上記の通りケトルベルを使ったトレーニングは全身運動になるので、見た目以上に息があがり、心拍数も上昇します。
ケトルベルスイングなどの激しいトレーニングを行う前には十分にウォーミングアップを済ませておくか、徐々に負荷を上げていくような形をとりましょう。
脂肪燃焼効果
ケトルベルを用いたトレーニングでは全身を効率よく動かすので脂肪燃焼効果にも期待ができます。強度も高くなるため、短時間で効果的な脂肪燃焼が可能です。
初めてケトルベルスイングを行った翌日には腕だけでなく、腹筋や下半身も筋肉痛になる可能性があり、その効果を実感できるでしょう。
ケトルベルの基本的な使い方
ケトルベルは、全身の筋力トレーニングに最適なフィットネス器具です。しかし、正しい使い方を知らないと効果が半減してしまいますので、正しい使い方を理解しましょう。
ケトルベルの握り方
ケトルベルの握り方は、手のひら全体でしっかりと握ることが重要です。トレーニング内容に応じて、片手で握る場合と両手で握る場合があります。
握り方が甘いと、トレーニング中にケトルベルが手から滑り落ちてしまい危険です。また、強く握りすぎて手首に負担をかけないように注意しましょう。
ケトルベルの持ち上げ方
ケトルベルを持ち上げる際は、膝と腰をしっかり使って持ち上げることが大切です。腕だけで持ち上げようとすると、腕や肩に過度な負担がかかるだけでなく、おかしな体勢が腰痛などを引き起こしてしまう可能性が上がります。
ケトルベルを使ったおすすめのトレーニング方法
ケトルベルの取手に重りがついているという特性を活かして、さまざまなトレーニングができます。その中でもひとりでも取り入れやすく効果的なメニューを紹介します。
ケトルベルスイング
ケトルベルスイングは、全身の筋肉をバランス良く鍛えることができます。ケトルベルを両手でしっかり握り、全身を使って前方へ振り子のようにスイングするトレーニングになります。
- 足を肩幅より少し広めに開く
- 膝を曲げ、腰を落としてケトルベルを両手でしっかり握る
- ケトルベルを持ったままスクワットのようにしゃがむ
- その姿勢から前方へケトルベルを振り上げる
- おろす際は膝を曲げて腰をしっかり落としながらおろす
ケトルベルデッドリフト
ケトルベルデッドリフトは、ケトルベルを持ち上げるように行うトレーニングです。デッドリフトはバーベルを用いて行われることが多いですが、ケトルベルに代用することで狭スペースで気軽にできるようになります。
- 足を肩幅より少し広めに開く
- 膝を曲げ、腰を落としてケトルベルを両手でしっかり握る
- 力強くケトルベルを引き上げる
- ゆっくりとケトルベルをおろす
- おろす際は膝を曲げて腰をしっかり落としながらおろす
アームカール(ケトルベルカール)
アームカールは通常ダンベルで行われることが多いですが、ケトルベルでも代用可能です。
「上腕二頭筋」「上腕筋」「腕橈骨筋」といった部位を集中的に鍛えたい場合に有効です。
- 肩幅くらい足を開き安定した姿勢にする
- 片手でケトルベルをしっかり握る
- 脇を閉めた状態で肘の位置を固定したまま肘を曲げる
- 体制を崩さないようにゆっくりおろす
サイドランジ(ケトルベルサイドランジ)
ランジは通常バーベルやダンベルで行われることが多いですが、ケトルベルでも代用可能です。
「臀筋」「ハムストリングス」「大腿四頭筋」「体幹」などの複数の筋肉群をターゲットとするダイナミックなエクササイズで、筋力・バランス力・柔軟性を高めます。
また内転筋にも刺激が入り、鍛えて引き締めることで足を閉じた時に太ももの間に隙間ができるようになります。スタイルアップしたい方には特におすすめのトレーニングです。
- 両足を腰幅に開いてまっすぐ立つ
- ケトルベルを両手でしっかり握り右足をできるだけ遠くに真横に踏み出す
- 右膝が90度になるまで上体を下げる
- 右足で地面を蹴り出し、最初の姿勢に戻る
- 左足で同じ動作を行う
ケトルベルを使って効果的にトレーニングしよう
ケトルベルは正しく使うことで全身を鍛えることが可能です。しかし、操作が難しくフォームを崩しやすい器具でもあります。フォームが崩れてしまうと望んだ部位が鍛えられないだけでなく、怪我を引き起こしてしまう可能性もあります。
正しいフォームでトレーニングできるようになるまでは、パーソナルトレーナーをつけて指導してもらうことをおすすめします。
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